「技術主導型」を超え「地域の特性を生かした課題解決」へ
代表理事からのご挨拶
一般社団法人益田サイバースマートシティ創造協議会
代表理事 豊崎 禎久
代表理事 橋本 剛
益田市は人口4万6千人の過疎と高齢化に直面した地方都市。日本の2030~2040年の姿が既に顕在化している土地です。島根県一の面積があり、その9割は山林。市街地はすでにコンパクト化しています。ここでは大都市とは異なる地域課題があるはずです。そして、日本全国をみると都市の面積はわずかで、益田のような土地が大部分なのです。
しかし、これまでのスマートシティ事業は、技術主導型の展開となりがちでした。どうしても、大都市の大企業が持つ技術をどう地方に展開するかが主眼となってしまいます。大都市と地域課題が異なることや、地域課題の洗い出しと解決できる技術の模索こそが大事であることなど、忘れられがちだったのではないでしょうか。
私たちは2016年にプロジェクトをスタートさせましたが、市の職員にセクションごとの課題を書き出してもらい、ワーキンググループをつくってヒアリングを行った上で、課題について、民間でできるものと、市がやるべきものを分けて取り組んできました。最初に浮かび上がってきたのが、災害対策とヘルスケア、インフラ保全。これがこの益田で一番最初に解決すべきことだ。そう思って、私たちは、ここから取り組むことにしたのです。
水害対策では、用水路の水位測定にIoTを導入し、リアルタイムの測定結果に基づき樋門の開閉を行うことで、水位を調節します。電源がない屋外での測定は実は難しさを伴うのですが、地域課題の解決のため、技術開発を行っています。技術があるから益田で試してみるのではありません。益田の地域課題に合わせて、必要な技術を生み出すのです。これが私たちの「益田モデル」のスマートシティです。
また、益田市の住民は壮年期に血圧が高い傾向があり、脳卒中のリスクなどが高くなっています。ヘルスケアの分野では、市民にIoT血圧計で測定していただき、送られてきたデータを管理、分析することで、個人の健康を見守り、研究開発にもつなげるしくみを構築しています。このことは益田だけでなく、医療費の増大で社会保障の持続性を問われている我が国にとっても最重要課題となってくるはずです。
インフラ保全では市道の保守管理を目視ではなく、自動車にセンサーを搭載して路面状況のデータを自動収集し管理するという実証試験を行っています。機械にできることは機械にしてもらい、労働人口減少で今より希少となる人間には「人間にしかできない」仕事に専念してもらう必要があるのです。
このような私たちの取組については、令和元年度に、国土交通省のスマートシティ「先行モデルプロジェクト」15カ所のうちのひとつに選定していただきました。
今後は、現在既に取り組みを始めている鳥獣害対策の深化や、広大な山林の管理手法の研究など農林水産関係の取組強化が必要となってくると考えています。また、警察と連携した高齢者のひとり歩きの認知症の方を対象とした事業の展開や、集まったデータの扱いに関わる法制度のあり方の考察など、行政機関や立法機関との関係が重要になってきます。
このため、令和2年度から、農林水産省での行政経験を踏まえて監事として関わってきた橋本剛が代表理事に就任し、農林水産や行政関係の分野を強化します。また、これまで技術を含めて全体設計を担ってきた専務理事の豊崎禎久も代表理事に就任し、両者で共同代表を務め、役割分担と相乗効果を計ってまいります。
この先私たちが実現したいと思っているのは、若い世代に仕事がきちんとあって、人々が移住してくる益田です。大企業と益田市が連携し、ベンチャーキャピタルを呼び込み、起業家を支援するという姿も描いています。益田発の新しい産業ができると思います。また、都市間連携も進め、「益田モデル」を広げていきたいと思っています。既に熊本県八代市と連携を進め、将来的にはアジア・アフリカの新興国も視野に入れていきたいと思います。
初代代表理事を務めた又賀氏は益田で生まれ育った方でしたが、私たちはその点「よそもの」です(ふたりとも長崎市の出身です)。しかし、益田の持つ潜在的な「豊かさ」に魅了され、この地の課題をスマートシティに関わる技術で解決して桃源郷の「益田」にしていこう、地域の方々とともに実現に一歩一歩近づいていこう、そしてその桃源郷を全国へ、世界へつなげていこうと思い至った人間でもあります。
本協議会は、スマートシティ推進のため活躍している方々がメンバーとなっており、各界で御活躍の方々が顧問として支えて頂いておりますが、地域の方々と私たちが協力し合いながらともに同じ未来を目指すことで全国のモデルとなるような大きな発展を実現させ、さらに多くの方々が本協議会の輪に加わって頂けることとなるよう、切に願っております。
設立の背景と目的
益田サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)スマートシティ規格の仕様およびIoTプラットフォーム等の関連技術を開発開発、検証しこれらを幅広いハイテク産業界に提唱することにより、将来MCSCCが推進するスマートシティ対応のインターフェース準拠製品および関連製品の開発・普及を促進し、関連事業を地方創生の発展に資することを目的とする。
都市間連携で日本の地方都市にスマートシティの普及拡大を図るとともに、海外企業や研究機関とも連携し、日本そしてアジア地域での新興国をターゲットにしたグローカルなIoT新産業展開に向けた新しいビジネスモデルを「共築」することを目的とする。
MCSCCのスマートシティ・プロジェクトは、地方都市の「益田市」をテストベッドの場に活用し、未来型エコシステム研究開発の中でデジタル・トランスフォーメーションを達成し、環境、防災、医療、財政、社会、自治体、国家等への各方面の課題をIoTによって解決し、CPS(Cyber Physical System)社会の実現を目指す。
設立趣旨
本協議会は、スマートシティ(家庭、ビル、交通システム等をITネットワークで繋ぎ、ICTその他のテクノロジーを導入、活用することによって、環境負荷を抑えながら、地域でエネルギーを有効活用する次世代型の社会システムをいう。以下同じ。)に関する製品等の規格及び仕様、LPWAその他の通信技術を活用した広域ネットワークに関するIoTプラットホーム等の関連技術及び関連製品の開発を行い、これらの普及及び導入の促進を広く国内外の産業界に提唱し、もって、国内における地方創生及び国外における新興国の発展に資することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
- スマートシティ及びその関連技術に関する各種活動の企画、開発及び支援
- スマートシティ並びにその関連技術及び関連製品に関する情報の交換及び教育並びにその管理
- スマートシティ及びその関連技術に関する各種団体との交流及び協力
- 各都市との連携に関する連絡体制の構築及び情報提供サービス並びにこれらに関するコンサルティング
- 個人及び団体が行う各種活動に関する支援及び参加
- その他本協議会の目的を達成するために必要な一切の事業
益田サイバースマートシティ創造協議会 入会申込書
益田サイバースマートシティ創造協議会 入会申込書 (PDF)
送付先アドレス: contact@masuda-cybersmartcity.jp
団体概要
理事会(Board of Directors)
代表理事 | 豊崎 禎久 アーキテクトグランドデザイン株式会社 ファウンダー&チーフアーキテクト 前IoT益田同盟®プロジェクト総合プロデューサー 元ドイツIP500 Alliance Japan/Asia Pacific プレジデント 元慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 特別招聘教授 元ガートナージャパン株式会社 プリンシパル・アナリスト |
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代表理事 | 橋本 剛 早稲田大学総合研究機構システム競争力研究所招聘研究員 一般社団法人出島総研代表理事 橋本剛行政書士事務所代表 大樹コンサルティング株式会社 特別研究員(大樹総研) 前長崎市議会議員 元大阪市特別参与 元農林水産省 大臣官房政策課 首席調整官兼農林水産省改革推進室長 元環境省自然環境局カルタヘナ議定書国内担保法制定準備室副室長 |
専務理事 | 根本 隆之 キュレーションズ株式会社 代表取締役CEO 前株式会社リアルフリート amadanaマーケティング主管 元ソニー株式会社 ネットワークサービス事業推進 |
理事 | 井関 俊道 KYB株式会社 技術本部副本部長 兼 基盤技術研究所所長 |
理事 | 末松 謙一 株式会社末松電子製作所 代表取締役社長 |
名誉顧問(Honorary Adviser)
名誉顧問 | 神近 義邦 株式会社エコ研究所代表取締役会長 前株式会社長崎オランダ村 取締役会長 元長崎オランダ村・ハウステンボス代表取締役社長(創業者) |
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顧問(Adviser)
(氏名 五十音順)
顧問 | 荒川 隆 (農業) 全農経営管理委員 損害保険ジャパン株式会社 顧問 前農林水産省農村振興局長 |
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顧問 | 荒木 正之 (地震・減災) 株式会社ALAB 代表取締役社長 東京大学 地震研究所IT強震計コンソーシアム 監事 |
顧問 | 石川 智久 (癌治療・薬理遺伝学・高齢者の個別化医療) 理学博士 NPO法人 地方再興・個別化医療支援 理事長 一般社団法人ZENグローバルアカデミー ファウンダー 前理化学研究所(上級研究員・テーマリーダー) 元東京工業大学(教授) 元ファイザー社中央研究所(主任研究員・室長・部長) 元テキサス大学M.D.アンダーソン癌センター(助教授) 元ドイツ癌研究センター(プロジェクトリーダー) 元大阪大学医学部(助手) 元ドイツ・デュッセルドルフ大学医学部(博士研究員) |
顧問 | 岩前 篤 (スマートハウス) 工学博士 学校法人 近畿大学建築学部長 経済産業省建材トップランナー制度審議会委員、環境省温暖化対策住宅分科会委員 国土交通省スマートウェルネス住宅研究委員会委員 |
顧問 | 殷 洛 (Luo Yin) (中国スマート建設・スマートシティ) 工学博士 シトラスグレイス株式会社 CEO 一般社団法人中日建設業人工知能協会 ファウンダー 中国成都市武侯区都市計画産業推進大使 中国威海市商務局駐日商務代表 中国シ博市駐日商務代表 |
顧問 | 宇津木 真司 (地質) ジーエスアイ株式会社 ソリューション事業部 部長 宇都宮大学非常勤講師 秋田大学非常勤講師 前株式会社安藤・間 土木事業本部 先端技術開発室 担当部長 |
顧問 | 大崎 正巳 (無線) 株式会社アドバンストアールエフデザイン 取締役 島根県松江市出身 |
顧問 | 桑原 祐史 (防災・ドローン) 工学博士 茨城大学 地球・地域環境共創機構 GLEC(グレック) 副機構長(研究担当) 理工学研究科 博士後期課程 社会インフラシステム科学 専攻長 |
顧問 | 小林 正明 (地球・都市環境) 中間貯蔵・環境安全事業株式会社 代表取締役社長 前環境省 事務次官 |
顧問 | 齋藤 佳名美 (スポーツIoT(自転車)) 特定非営利活動法人 益田市・町おこしの会 理事 |
顧問 | 椎名 茂 (AI&ブロックチェーン) Digital Entertainment Asset Pte. Ltd 共同CEO 特定非営利活動法人 日本障害者スキー連盟 会長 前KPMGコンサルティング株式会社 執行役員 パートナー 前プライスウォーターハウスクーパース株式会社 代表取締役社長 |
顧問 | 志賀 利一 (医療ヘルスケア) オムロンヘルスケア株式会社 技術開発統轄部 R&Dフェロー |
顧問 | 清水 嘉代子 (訪問看護) 公益財団法人 日本訪問看護財団 理事長 前国務大臣環境庁長官・地球環境問題担当 |
顧問 | 杉浦 一徳 (IoTコンテンツ) 慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科 准教授 |
顧問 | 杉山 恒司 (データ流通) City&Tech委員会委員 一般社団法人データ社会推進協議会 理事 (旧一般社団法人データ流通推進協議会 理事) 一般社団法人官民データ活用共通プラットホーム協議会 技術顧問 一般社団法人日本OMG 主席研究員 経済産業省九州経済産業局 九州IoTコミュニティ サポーター 大分県商工労働部 戦略アドバイザー 株式会社ウフル ディレクター |
顧問 | 須齋 正幸(地方創生) 国立大学法人 長崎大学 経済学部 教授 |
顧問 | 染宮 弘和 (ドローン航空管制) ラリーストリーム株式会社 代表取締役 前日本マイクロソフト株式会社 前日本IBM株式会社 |
顧問 | 富田 直美 (ドローン・エコ型社会) 株式会社hapi-robo st ハウステンボス株式会社 取締役CTO 前多摩大学 経営情報学部大学院経営情報学研究科 客員教授 |
顧問 | 中川 有紀子 (地方創生・日中イノベーション) 商学博士 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授(人と組織のマネジメント) 日中イノベーションプラットフォーム創設 |
顧問 | 中村 克也 (介護) 一般社団法人益田市観光協会 事務局長 前社会福祉法人 島根県社会福祉事業団 特別養護老人ホーム居宅介護支援事業所 雪舟園 園長 元島根県政策企画局次長(石見地域振興) |
顧問 | 馮 麗萍 (Liping Feng) (中国スマートシティ規格・ロボティクス) 株式会社デザインアーキテクチャー(日本ウイングテック株式会社) 代表取締役社長 前株式会社iAX CEO 元株式会社SpiralMind パートナー 元香港サイエンスパーク (HKSTP) 日本代表 |
顧問 | 松本 祐二 (地域医療) 松本医院 院長 島根大学医学部 臨床教授、同大学臨床検査医学講座 非常勤講師 島根県立石見高等看護学院 非常勤講師 NPO法人島根糖尿病療養支援機構 顧問 日本労働衛生コンサルタント会島根県支部 副部会長 学校・地域保健連携推進事業島根県 益田地域健康相談アドバイザー 島根県がん対策推進協議会委員 島根県医師会常任理事 公益社団法人益田市医師会 会長 元益田市立介護老人保健施設くにさき苑 施設長 |
顧問 | 山本 浩章 (地方自治) 益田市長 3期目 前益田市議会議員 元株式会社ひょうま 代表取締役社長 |
監事(Auditor)
(氏名 五十音順)
土木技術 | 桜井 宏 (耐震設計) 工学博士 桜コンティング合同会社 役員技術・政策研究所所長 国立大学法人 三重大学 社会連携特任教授 前衆議院議員 元大成建設株式会社 技術本部・土木本部設計部 |
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事務局(Admin Office)
事務局長 | 橋本 将己 前株式会社笹野マックス CMO (Chief Marketing Officer) 元荏原実業株式会社 新規事業・マーケティング担当部長 元株式会社ニコン経営戦略本部 主幹 |
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団体名 | 一般社団法人益田サイバースマートシティ創造協議会 (英語名:Masuda Cyber Smart City Creative Consortium) |
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所在地 | 〒698-0024 島根県益田市駅前町17番1号 EAGA 産業支援センター内 一般社団法人益田サイバースマートシティ創造協議会 益田グローバルヘッドクォーター(Global Headquarters) 〒106-0044 〒698-0024 〒717-0013 〒869-4615 〒793-0057 〒850-0851 〒374-0024 群馬県館林市本町2-5-47-508 〒699-5513 島根県鹿足郡吉賀町六日市785 |
電話番号 | 03-6459-1995 (事務局) |
設立 | 2018年10月29日 |
定款
定款(PDF)
定款(2020/5/7)(PDF)
会則
会則(PDF)
益田サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)活動体制図
ワーキング・グループ |
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益田サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)活動体制について
ワーキンググループ |
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OEM会員後のプロジェクトSTEP
1. 組成する
参入すべきセグメントを定め、MCSCCへの加入。
MCSCC内にWGを組成し、市と益田市事業者との対話窓口を設ける。
2. 検討する
WG-行政-事業者-市民との議論を通じ、Pain/Gainを明らかにし、ソリューションを策定する。
3. 実装する
前出ソリューションのPoCを制作し、社会実装を行う。
4. 検証する
実装したソリューションを製品版に引き上げ、他都市連携への導入を検討する。
益田サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)本部・支部・都市間連携先(日本)
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益田サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)のグローバル連携
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